早咲きの 鶯の宿という名の 梅が咲いた 日本人が浮かれる季節も近いってもんだ
「6本咲いとる。6本咲いとる」
おじさんは、会う人会う人に、公園の梅の開花状況を
レポートしていた。数えたところが、このおじさんの
えらいところだ。なにせここの梅の木は相当あるんだから。
ここの公園には、にわか梅評論家、みたいな
おじさんやおばさんがたくさんいる。
「ことしは開花が少ないなあ…」
「肥料のやりかたが足りなかったんだ」
「むかしにくらべると梅の木に力がない…」
とか、枝の剪定がどうのこうのとか。
そんな会話が毎年くりかえされる。
公園の木を世話しているのは、市の嘱託の職員の人たちだ。
そういう梅評論家たちの、つまり、金も手も出さないけれど
口だけは出すぜ、という方たちの論評を聞き流しながら、
もくもくと仕事をしておられる。
まあ、いい。公園はみんなのものだ。
いろんな人が来て、知らない人ともしゃべれるところが楽しい。
みんなが開花を心待ちにしているのがわかる。
なんだか暗いニュースばかりの2009年も、
いつもの年とおなじように梅は咲く。



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